札幌で最も早く開拓された地域、豊平。豊平川を隔てて札幌中心市街に隣接し、古くから栄えた街ですが、この商店街も他同様に店舗が減ってビルやマンションが立ち並び、人が行き交う街ではなくなってきました。商店街振興組合の理事長、山田文男さんはこう語ります。

豊平商店街振興組合理事長 山田文男さん

“小さいけれども専門店があり職人がいる、おもしろい商店街です。かつて馬具屋や鍛冶屋などが軒を連ねた、商業と職人の街だったという歴史とつながっているのでしょう。ですが、日常的に利用しない店が多いのも事実。街の特色を活かしたイベントを10年以上続けていますが、それも最近はマンネリ化してきていました。”

 どうしようかと考えあぐねていたときに、空き店舗を活用してゲストハウスを開業したいという若者が飛び込んできました。「最初は何を言っているのかわからなかった」と笑う山田さんも、市内外からたくさんの人を集めて自分たちで改装を進める彼らの姿を見て、大きな可能性を感じるようになりました。いま、豊平には新しい風が吹き始めています。


「職人」がいるという歴史
とよひら職人物語
http://www.city.sapporo.jp/toyohira/news/201211/04-2.html


 1857年に豊平川の渡し守が定住したのをきっかけに開拓されたこの地域は、人の流れが生まれる中継基地だったため、宿、馬具屋、蹄鉄、鍛冶屋などの商店が軒を連ねていきました。他地域からも人が集まり、3つの商店街が存在した時期もありましたが、市電の廃止や大型店舗の進出になどより、次第に縮小していきました。1965年、いくつかの商店街を束ねる形で豊平商店街振興組合の前身である商店街振興会が設立され、魅力ある街・商店街づくりをテーマに活動を続けています。1999年に始まった「とよひら職人物語」は、職人が多い商店街の特色を活かしたイベント。クリーニング店の店長が華麗なアイロンがけを披露してコツを教えたり、来場者と丁寧に対話をしながら商品販売し、地域とのつながりを作っています。同様に「とよひらふれあいまつり」「とよひらおもしろひろば」などを開催していますが、若年層や家族世帯への浸透が弱いのが課題となっていました。

街をフィールドに学び合いの場をつくる
 昨年からゲストハウスwayaをオープンした河嶋峻さんと山田さんを中心に、2015年3月14日、商店街みらい会議がwayaのリビングスペースで開催されました。商店街はもちろん、地域に住むNPOの方や20-30代の若者など、多世代の人が参加。会の始まりにあたり、河嶋さんはこのように語ります。

進行役 河嶋峻さん

“ゲストハウスを改装していてわかったのは、近隣に多くの若者が住んでいるということです。若者が興味を持てる「きっかけ」があれば、彼らも街に出てくるのだと思いました。今日は僕たちのような若い世代と、商店街の人とで一緒に、そんな楽しい「きっかけ」のアイデアを出していきます。”

 札幌オオドオリ大学学長の猪熊梨恵さんから、地域をキャンパスにして学びあう場についてレクチャーいただいた後、グループに分かれて自己紹介。趣味や特技などの得意分野を共有してから、豊平を学び合いの場と想定して授業づくりです。商店街のお店の特色をもりこんだ「自分に似合う帽子の選び方」「いろんなものに印刷できるキット作り」「子ども本格料理教室、子ども割烹」「日本の神様に会いにいく!仏具仏壇のお店が伝える和の心」という4つアイデアが生まれました。


若者が街にでて、学び合えるエンターテインメント
 ここで生まれたアイデアは、wayaのメンバーを中心に、実際に形にしていきます。これまで開催されていた「職人物語」をより拡大して、商店主だけではなく、地域にすむお母さんや若者なども先生になったり生徒になったりする学びの場を作っていく予定です。また、開催頻度を高めて出会いの機会を増やして、コミュニティを強固にしていこうとしています。職人と若者が交差するこのプロジェクトは、新たな雇用創出が生まれる可能性も垣間見えます。地域の価値を見つめ、新しいものと掛け合わせることで経済効果を生み出す、商店街発のイノベーション型地域活性にチャレンジしていきます。

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