真駒内駅からバスで10分、藻岩山をはじめとする山々と豊平川にはさまれるようにある藻南(もなみ)商店街。ここには、5年前から商店街振興組合長の岸信行さんが発行し続ける商店街通信があります。その名も、「八垂別(はったりべつ)通信」。組合員である店舗の広告・宣伝を担っていた八垂別通信ですが、岸さんには別の想いがありました。
藻南商店街振興組合長 岸 信行さん

“この地域に住む子どもや若者などにも商店街の存在や、ここで働く人たちを知ってもらいたい。そして、商店街に限らずこの地域のことをもっと知ってほしいし、愛着を持ってほしい。そのために「八垂別通信」を使うことはできないだろうか?”

アーケードがなく商店街自体が広範なため、地域住民の認知度も上がらず、店舗同士の連携も薄くなってきている藻南商店街。岸さんはこの通信を情報発信だけではなくて、「人とコトと店をつなげるような地域情報誌」の役割を持たせられないかと考えていました。 この想いに応えたのは、東海大学デザイン学科の石塚ゼミの学生たち。 ここから「八垂別通信をみんなでリニューアルしよう」という本プロジェクトが始まりました。


魅力探しの鍵は「歴史」
藻南商店街があるこの地域は「八垂別(はったりべつ)」という独特な地名がついています。地名の由来はもちろんアイヌ語。山あいにあるこの地域にはたくさんの沢があり、「ハッタル・ベツ(水が深く淀んだ川)」と呼ばれていました。1964年ごろの写真をみると、ほとんどが畑。沢をつたって開墾し、畑を耕し五穀豊穣を祈る、そんな風土からか沢ごとに神があるのもこの地域の特徴です。

この地域を語る上で外せない人物の一人が佐藤善七、雪印の創業者の一人です。北海道酪農経営を提唱して「自助園牧場」を開設したのは1923年。バターの製造や「三色ブリックアイスクリーム」というチョコレート、ストロベリー、レモンの三色・三味の製品を日本で初めて販売しました。三色アイスクリームと同様、地域に愛された歴史を持ちながら、現存していないものとして惜しまれているのは、藻岩小学校の桜の木です。114年の歴史がある小学校には、かつて大きな桜の木がありました。40代以上の方々には子どものころの思い出とセットで記憶に残っているようです。
商店街の魅力を発掘&記事を作ってみる
2015年2月23日、八垂別通信のリニューアルに向けて、商店街からはもちろん地域住民や大学生など、17名が地区センターに集まりました。会の始まりにあたり、進行役の黒井理恵さんはこのように語ります。

進行役 黒井 理恵さん

“歴史を振り返ることで、いま私たちがここにいる意味が見出せます。そしてそれを未来につなげていくことが必要です。こうしてさまざまな立場のみなさんからアイデアを集めていくことで、八垂別通信は「みんなでつくる地域の情報誌」として生まれ変わっていくでしょう。”

ワークショップでは地域の魅力をたくさん出し、その中から4つのテーマを投票によって決めました。選ばれたテーマは「藻岩小学校の桜の木」「佐藤善七さんの歴史」「藻南公園」「神社の祭りとお神輿」。それぞれのテーマに分かれて、特集記事をみんなでプロトタイプしていきます。 白い画用紙に大見出しやコピー、写真、写真の説明、目を引くコーナーなどを描きこみます。コピーにこだわるグループ、イラストや写真を積極的にコラージュするグループなど、気分は雑誌編集者。最後に創り上げた誌面を発表し、ワークショップを終了しました。

「八垂別通信 春季特別号」の発刊。大学生の力を商店街へ
東海大学デザイン学科石塚ゼミの学生4人が、ワークショップから生まれた地域の人たちのアイデアを形にしていきます。東海大学の学生たちは、学校のすぐ近くにある藻南商店街には日ごろなじみがありませんでした。今回のリニューアルを機に、商店街の人と話し、街を歩き、取材をすることで身近な存在になったようです。 来年度以降は、地域の小学生がインタビュアーとなって街を巡ることも決まっています。かかわる人が増えると、アイデアも増えていく。新たに生まれ変わった「八垂別通信」にご期待ください!
大学生と岸さんを中心とした「八垂別通信」編集会議

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